メジャーな水無川流域の沢でも一際静かな沢。
水無川 東不動沢右俣 遡行記録
2024/11/26 日帰り 晴れ
メンバー:KC、他2名
グレード:上級
そろそろ沢納めになりそうな季節になってきた。今週末は全国的に晴天が確約されていて、どこに行こうかとても悩む。
当初は荒沢岳周辺の未遡行の沢へ行く案も出ていたが、日数的に足りるか微妙なので、無難に近くの日帰り沢2本を楽しむことに。
いつもの駐車スペースからアプローチ。さすがにこの季節になると沢ヤは皆無で非常に静かだ。
デトノアイソメまでの長いアプローチをこなす。先月は渇水で全く水が無かったが、ここ1ヶ月の雨で少し水量が戻った気がする。
デトノアイソメから東不動沢に入る。紅葉が綺麗。写真右は西不動沢。奥には薄っすらと西不動滝が姿を覗かせている。
鉱山尾根の分岐を過ぎるといよいよ連瀑帯スタート。
快適にクライム。
とにかく滝が連続して楽しい。
ややヌメるが概ね快適。
THE越後!という渓相。最初からワクワクが止まらない。人気が無いのが謎すぎる。
核心の10m滝。左から容易に巻けそうだが、近くへ見に行ってみる。
滝下に到着。うーん、悪そう。そして寒い。巻きたい(笑)
闘う顔を持つ男N村氏は登りたそうなので、とりあえずロープを出して取り付いてみる。ポムチムはビレイ中に巻き道へと消えた。
クソ寒の中、半袖シャワクラという狂気のスタイルで登って行くも上部で弾かれ戻ってきた。我々も大人しく巻きに入る。
巻き戻ると10m級の美瀑。
出てくる滝の造形が美しい。
これもお見事。ヌリカベみたいな滝。
中間部は登れない滝が続くが、造形美で魅せてくれます。
そしてこの沢のハイライト、40m大滝に到着。堂々たる風格でカッコイイ。まさしく不動滝。
写真好きの2人はここで撮影タイムに突入。あとで調べたら東不動滝と名前が付けられているようだ。
ポムチム曰く、越後の滝でもトップクラスの名瀑らしい。
東不動滝の巻きは地味に厄介。周囲を急峻な岩壁に覆われているため、大きめに巻いていかねばならない。おまけに藪の密度も高い。苦労して巻き終えると先に二俣が見えてきた。
豪快な滝で合わさる二俣に到着。一般的に遡行されているのは左俣なので、当初はこのまま左に入る予定だったが…。
明らかに右俣の方が本流っぽいし、カッコイイ滝もかかっているし、記録もないし…魅力しかない。
というわけで、少し遠くなってしまうが右俣に入る。出合の滝は快適に直登出来る。
出合の滝を越えるとゴルジュになる。
再び開けて連瀑帯。
圧巻の光景。遥か上まで滝が続いている。右はスラブになっていて素晴らしい。こちらに入って正解だった。
再び沢はゴルジュ状に変化。
地味に悪い滝が続く。
この時期のシャワクラは本当に辛い。
まだまだ続く連瀑。この上にも登れない10m級が続いていたのでまとめて巻く。
スリリングな巻きをこなしてようやく安全地帯。振り返ると紅葉と絶景。八海山側から見る景色ってこんなにも綺麗だったのか。
最後の二俣は左へ。いきなり悪そうなCS滝があるので中間尾根から巻く。1ヶ所死のトラバースがあるので注意。
ようやく源頭の雰囲気。
快適なスラブ帯を登っていく。
最後に少し藪を漕いで…。
ようやく登山道に出た。疲労困憊!そして飛び出した所はほぼ入道岳山頂だった。
紅葉MAXの稜線を歩いて下山。
疲労困憊だが、この紅葉を見ていると疲れも吹っ飛ぶ。
阿寺山付近の湿地帯。振り返ると中ノ岳がカッコイイ。
ヘロヘロクタクタのヘッデン下山で阿寺山の登山口駐車場へ。いやー疲れたけど素晴らしい沢だった。
総評
オツルミズや真沢が有名過ぎて、あまりスポットライトが当たらない沢だが、渓相は両者にも劣らないほど素晴らしい。
前半部の登って楽しい連瀑帯、中間部の不動滝をはじめとした魅力的な滝の数々。もっと人が入っていい沢だと思う。
濡れないので秋の紅葉シーズンに行くといいだろう。
おすすめ度:
コースタイム
十二平登山口駐車場6:30-デトノアイソメ8:00-二俣11:00-入道岳14:40-阿寺山駐車場18:30
装備
ラバーソール靴、40mロープ、ハーケン、カム
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