越後の魅力が詰まった明るく爽快な沢。WEB記録未見の右沢へ…。
北ノ又川 芝沢左岐沢右沢 遡行記録
2024/09/07-08 1泊2日 両日曇り
メンバー:KC、他2名
グレード:達人
2024年は個人的に色々とあり、春先から仕事以外では沢にも行かずひたすら労働に没頭していた。
完全に沢へと戻るタイミングを失い、このまま冬に突入かと諦めていた頃にポムチム&中澤さんから沢のお誘いが来る。
場所は芝沢左岐。昨年右岐を遡行して以来ずっと気になっていた沢だ。これは行くしかない!と思いつつもこの日は20代女子と簡単な沢登りに行く予定があった。30秒くらい自問自答した末、20代女子にはお断りを入れ、北ノ又川に向かった。
久しぶりの北ノ又川に足を踏み入れて、いつものアプローチ。禁漁のはずなのに内臓を抜かれた魚が捨てられていた。これは釣り師の仕業なのか?極悪非道にも程がある。
久しぶりの箱淵は水量少なく小ぶりに見えた。今回は巻いて通過した。
芝沢までは相変わらず壮大な北ノ又川を遡っていく。
泳ぎもあるよ。
特徴的な岩が見えてくると、ここが芝沢出合。
小さなゴルジュが続く。
二俣に到着。左岐沢へ。
出合から連瀑帯で快適に登っていく。
滝は小ぶりながらも釜は深く大きい。ここは巻いて通過。
止まらない連瀑帯。開けていて気持ちがいい。
圧巻の連瀑帯に歓声止まず。7m滝は右から巻く。
ゴルジュ内に滝が凝縮されている。
5m滝は右のバンドから。
その上の3m滝が曲者で中澤さんがボルダームーブとアブミを駆使して突破。後続はゴボウで這い上がる。
その上の8m滝は左から。右岐よりも全然楽しいぞ。
20m滝は右からポムチムリードで越える。ここは結構スリリング。
まだまだ緩むことなく続く。
泳ぎもある。
ようやく落ち着いた。奥には絶望的な景色が広がる。
左沢/右沢出合。計画を全く聞いていなかったKCはこのまま記録の多い左沢に入ると思っていた。だが、今回は右沢にかかる200m以上ある大滝の登攀が目的だと言う。
左沢出合の滝。また来るよ。
右沢を進む。水量的にこっちが本流な気もするがWEBでの記録は出てこない。(過去の文献には記録が残っているらしい)
何が出てくるか分からないワクワク感。これが沢登りの醍醐味だ。
小さなゴルジュ帯を抜けると周囲が開けて、先には絶望的な景色が広がる。右側にはこれから登る大滝が見え、正面には地獄のような景色の中に悪そうな滝が連なっている。
目の前の巨大雪渓は対処不可能なので右の岩壁から巻いて通過。
先に見える絶望的な連瀑帯。大滝よりもこっちの方が気になってきたぞ。
大滝の取り付きに到着。水がほとんど流れておらず、ただの岩壁になっている。これはちょっと登っても楽しくなさそう…。
メンバー全員同じことを考えていたのか、自然と体が本流に向かっていく。まるで本流に誘われているかのように。
近づいてみると何とかなりそう…?岩壁をクライムダウンして本流へ突入。
25m滝はKCリードで突破。
水流横断がやや怖いが、岩が固く快適。
爽快な連瀑帯。
ここは巻いていく。
予想に反して気持ちのいい遡行が続く。
ここは左巻き。
一気に水量が減ってガレ地帯に突入。ここは三俣っぽくなっている。
ガレ尾根を辿って沢に復帰。
テン場適地は無かったが、ガレ地帯を無理やり整地して寝床を作った。雷なのか雪渓の崩壊音なのか分からない轟音を聞きながら眠りにつく。
夜中は結構な雨が降ったが、出発する頃には止んでくれた。いきなり急峻なガレスラブからスタート。
そこそこ傾斜のあるスラブを登っていく。
振り返る。落ちたら昨日の寝床まで止まらなそう。
ほとんど藪漕ぎなしで檜廊下に飛び出した。2日目はすんなり終わってちょっと拍子抜け。
何度目かの駒の山頂に寄って昼過ぎには駐車場に帰還。かなり強烈な沢始めになった。お二人ともありがとうございました!
総評
苦行系の右岐沢に比べると、明るく爽快で登れる滝も多い。純粋に楽しいルート。越後の魅力がこの沢に詰まっている。右沢の大滝登攀を上手く絡めて登るとさらに充実するかもしれない。ただし、大滝は降雨後でないと水がほとんど流れていないと思われる。
おすすめ度:
コースタイム
1日目
駐車場6:00-左岐沢出合9:00-右沢出合11:00-C1 14:00
2日目
C1 6:00-登山道7:40-越後駒ケ岳9:30-駐車場12:50
装備
ラバーソール靴、50mロープ、ハーケン、カム、アブミ
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