【北アルプス】嘉々堂谷

黒部の洗礼を浴びる大渓谷遡行!

黒部川 嘉々堂谷 遡行記録

2024/10/12-14 2泊3日 全日晴れ

メンバー:KC、他2名

グレード:達人

当初はサンナビキ谷へ入る予定だったが、トロッコ電車の乗車拒否をされ、早々に計画が潰れる。
せっかくの晴れが約束された三連休。落ち込んでどこにも行かないわけにはいかないので、少々日程的にタイトではあるが、近くの嘉々堂谷に転進することになった。

初日は車をデポったり、買い物やら色々やっていたら、いつの間にかお昼を過ぎていた。とちの湯からスタート。

黒部川を進む。

渡渉を繰り返しながら進む。流れの強い所はスクラムを組んだ。

水位が例年よりも低いからなのか、すんなりと出合に到着。

出合で豪快に幕営。翌日に備えて就寝。

翌日は日の出と同時に出発。ダムの放水のサイレンが鳴って焦った。

いよいよ遡行開始。今日の行動次第で全てが決まる。日程的にかなりタイトなので出来るだけ教科書通りに進む。

入渓直後から側壁がそそり立ち、日の当たらない暗いゴルジュになる。最初の滝は泳ぎたくないので巻いていく。

奥には2段15m滝が見える。そのまま巻きを継続していく。

ここはすんなりと沢に戻れた。落ち口より。

奥に進むほど側壁がそそり立ち、巻きを許さない威圧的な渓相。

核心の豪快な30m滝。ここの処理スピードで勝敗が決まる。

唯一の弱点から巻いていく。1P目はN村氏リード。草で覆われた泥壁を小尾根まで登る。いきなり悪い。

2P目はKCリード。出だしの垂壁を何ポイントかのエイドで抜ける。ロープが重くなったので短めにピッチを切った。
3P目はA堀氏リード。見た目は簡単だが、とにかく脆く神経を擦り減らすピッチ。
3P目が終わると尾根の傾斜が緩み、歩いて通行可能になる。しばらく進んで適当な場所で懸垂するが…。

何と30m滝上に出てしまったようだ。次の5m滝は登れなさそうなので必死に登り返していく。もう汗だくのヘロヘロだ。
結局この登り返しと懸垂し直しでかなりの時間を要し、取り付きから6時間かかってしまった…。いきなり黒部の洗礼を受けた気がする。

かなり時間が押してしまったが、出来るだけ高度を稼いでおきたいところ。

未だ側壁は緩むことなく続いている。

側壁から落ちる50mクラスの滝。迫力ある渓相だが、基本的にゴロジュが続く。

大西さんが巻いていた小滝。水量少な目ですんなり突破できた。

8m滝は左から巻いた。念のためロープを出した。ショルダーを駆使すれば直登も出来るはず。

5m滝は右からA堀氏リードで取り付く。待っている間に水線際に取り付いたら登れてしまったので、後続はそちらから。A堀氏ごめん…(笑)。

小さいながらも水量が凝縮された滝が続き、突破がいちいち大変。

左岸から40mくらいの滝で合流する枝沢。迫力満点。

7mスラブ滝。記録よりも明らかに水量が少ない。

下部はホールドが甘く、フリクション勝負。

凄いV字谷。そろそろテン場を探したいところだ。

谷がようやく開けてきた。本日最後の2段20m滝に到着。N村氏は登りたそうにしている(というか既に取り付いている…)が、明らかに簡単に巻けるので問答無用で巻く。

コンパクトに巻いて落ち口へ。

ゴーロ帯になったところで本日の行動は終了。核心の高巻きをミスってどうなることかと思ったが、後半で巻き返せた。明日は何とか定時で下山できそうだ。

最終日。いきなり7m滝から始まる。

上部が意外と悪くて断念。左からコンパクトに巻く。

巻き途中から見えたゴルジュ内の滝。中々絶望的に見えたが、近づいてみたらすんなり登れた。

これが最後の関門4m滝。

不完全燃焼のA堀氏リードで登る。後続はユマーリング。

滝場が終わり、ようやく源頭の雰囲気。だが、登山道までは1000m近く標高を上げないといけない。
黒部の谷は下部~中間部に核心が集中していて、上部はこんな感じのゴーロが続くことが多いようだ。

黒部の山々をバックにラストスパート。

沢型を忠実に詰めて、藪漕ぎほぼ無しで登山道に到着。登山者の方に写真を撮られまくるお二人。

素晴らしい展望と紅葉に癒されながら僧ヶ岳へ。

僧ヶ岳で大休止。

定時で駐車場に帰還。あとは車を回収しに行き解散。ギリギリ夜勤に間に合った。

総評

下部は逃げ場のないゴルジュ帯が続き、日も当たらない。心臓を締め付けられるようなプレッシャーが常に圧し掛かる。
30m滝の巻きを如何にスマートにこなすかが、この沢最大の核心。その他は水量が少なかったせいもあるが、意外と拍子抜けする場面が多かった。黒部の谷では恐らく中堅的な存在だと思うが、アプローチしやすいのでもっと人が入ってもいい谷だと思う。
個人的に初黒部の谷だったが、黒部の壮大なスケール感を味わうことが出来てよかった。これを機に色々な場所に足を運んでいきたいところだ。

おすすめ度:

コースタイム

1日目
とちの湯14:00-C1 14:40

2日目
C1 6:00-30m滝6:30-沢復帰12:00-C2 16:00

3日目
C2 6:00-登山道10:00-僧ヶ岳11:00-駐車場13:00

装備

ラバーソール靴、50mロープ×2、ハーケン、カム、アブミ(あると良い)

 

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