【御嶽山】兵衛谷

御嶽山に詰め上がる長大な渓谷を旅する。

濁河川 兵衛谷~シン谷 遡行記録

2025/07/19-21 2泊3日 全日晴れ

メンバー:KC、他1名

グレード:中級

海の日の連休は長大な沢旅に出掛けたかったが、頼りのポムチムは仕事の試験で予定が合わずパートナー探しに難儀する。ダメ元でクズミンに連絡してみると「空いてますよ」とまさかの返答!1000万プレイヤーになりつつある(多分)激務の男を奇跡的に捕まえる事ができ、当日を迎えることになった。

兵衛谷を下部から遡るには車が2台必要となるため、クズミンは仙台から8時間かけて御嶽にやってきた。濁河温泉に1台デポし、もう1台で厳立へ。この車回しだけで30km近くあり、この渓谷の長大さが分かる。
駐車場に着くと濁河温泉にいた沢ヤっぽい出で立ちのメンバーもやってきた。なんか見たことあるな?と話しかけてみると彷徨いクラブのワンコさん、ダイさん御一行と判明。挨拶をして出発する。

遊歩道を辿って入渓…と思っていたら協力金900円(3泊分)を徴収される。クズミンは富豪なので文句一つ言わず払っていたが、彷徨いクラブは何が何でも払いたくないようで、遊歩道ではない場所から強引に入渓しようとしていた。結局諦めて払っていたが(笑)。

入渓するといきなり豪快な渓相。

下部は水量豊富。いきなり泳がされる。

ここも泳ぎ。

光り輝く御嶽ブルー。

下部は水量多いとかなり苦労しそう。

ゴルジュと河原歩きを繰り返す。

再びゴルジュ。

動画撮影しながら泳ぐクズミン。

下部核心の2段滝。物凄い水量だ。

ここのトラバースが核心。ザックを降ろして窮屈なムーブで越える。

ゴルジュは続く。天気は快晴だが、沢の中は日が当たらなくて辛い。

ここも泳がされる。

ここで先行PTに追いつく。彷徨いクラブかと思いきや、ぶなの会御一行。一体何PT入っているんだ兵衛谷。この後分かったのだが、全4PT入っていて我々が最後尾だったらしい。

ぶなPTはここを巻くために高巻きを選択。我々は内部に突入して突破。

地形図にも載っている曲滝に到着。これは登れないので大人しく巻く。

残置がたくさんあるゴルジュ。

ラバーソールなら全く問題なく登れる。

しばらく長い歩きをこなすと再びゴルジュに。

周囲が火山系特有の鱗状の岩になって渓相が変わる。ここは泳いで内部に突入。

泳いでばかりでそろそろ寒くなってきた…。

ここは釜に浸かってへつって突破。

一気に水量が減った感じがするが、ゴルジュ地形が続く。

真丸の釜。大きすぎて写真に入らない。

鱗状ゴルジュを振り返る。

途中にあったこの滝は巻いた。

独特な形状の岩盤と御嶽ブルー。

ナメ系の滝が続く。たまらん。

初日の行程もいよいよ終わりが近い。癒しの渓相を進む。

単調な泳ぎと河原歩きで疲れていたが、最後の最後で渓相が変わって楽しませてくれた。

初日のゴールである取水堰堤に到着。

堰堤を越えた先で行動終了!先行していた彷徨いクラブは既に火を熾していた。我々も近くを整地してお邪魔させてもらう。夜は一緒に焚火を囲んで盛り上がった。

2日目。のんびり支度をして出発。朝日に照らされる兵衛谷。

2日目は水量の多いナメ歩きから始まる。

沢幅一杯に流れる豪快なナメ。

ナメが終わるとちょい泳ぎ。

5m滝はシャワーを被って左から登る。

幻想的な景色。

2日目はとにかく登れない滝の連続。巻いて巻いて巻きまくる。

ナメは相変わらず豪快。

すごい水量だ。

昨日と違って退屈な区間が少ない。

再び大滝。戻って左から巻く。

巻き途中から大滝上を見渡すとさらに連瀑となって滝が続いている。これは厄介な大高巻きになりそうだ。

1時間くらいの大高巻きを終えて沢に戻ると対岸にピンクテープ発見!?どうやら左岸側に明瞭な巻き道があったらしい…。何だか損した気分。

これも登れないがお見事。

そしてハイライトの龍門の滝に到着。人工的に作られたかのような不思議な形状。滝ヤのクズミンをも唸らせる名瀑だ。

せっかくなので直登しまーす。

右壁を登って落ち口へ。意外とヌメっていて、落ちたら吹っ飛ばされるので緊張した。

次は20m滝。これは左のルンゼから巻くが脆くて少々悪い。ロープを出した方が無難。

沢に戻ると素晴らしいナメが広がる。

2日目で一番美しい区間。

神渓確定!

出てくる滝がどれも個性的なんですよね~。

材木滝に到着。ここから車に帰れるので一瞬帰宅の誘惑に駆られる。

誘惑を回避して上部を目指す。ゴルジュ帯は容易に巻ける。

巻き終わったところの美しいナメ。

上空に橋が見える。

長い平凡区間を終えるとようやく滝が出始める。

シン谷/尺ナンゾ谷の出合。左へ。そろそろ疲れてきた。

シン谷に入るとすぐに出てくるパノラマ滝。左から大きめに巻く。

巻きに次ぐ巻きでもうヘロヘロ。幕営地を探しながら歩く。

ここに来て登れる滝が何個か出てくる。もうクタクタなんで勘弁して下さい。

百閒滝手前で良い幕営地があったので強制終了。いやーとても長かった!クズミンもさすがにお疲れ。ここは電波がバリバリに入ってTwitterしながら時間を潰す。2日目で彷徨い、ぶなPTを追い抜いたが、まだ先行している静岡PTには追いつく気配がない。果たして沢の中で会う事はできるのだろうか。

3日目。長い沢旅もようやく最終日。朝イチから百閒滝の巻きで始まる。一ヶ所脆いトラバースがあって危険。クズミンにはお助けを出す。

巻き降りて黙々と高度を稼ぐ。

3日目はゴーロ歩き主体で滝が非常に少ない。15m滝は左から巻くがアザミが生い茂っていて辛い。

再びゴーロで標高を上げると絶望的なゴルジュ帯が出てくる。ここでようやく先頭を歩く静岡PTを目視出来た。

右の踏み跡から巻いてゴルジュ帯の出口へ。

最後の大きな滝である神津滝。ここでようやく先行PTに追い付いた。挨拶するとなんか見たことあるお顔…。思わず、トシゾーさんですか?と声をかけると、まさかのご本人。トシゾーさんのブログ、“山やへの扉”は沢登りを始めた時から読んでいて、いつか沢で会えたらいいなと思っていたが、まさかこんな所でお会いできるとは!興奮してしまい、遥か下に置いてきたクズミンを放置して話しまくる。

しばし談笑したのち、クズミンが追い付いてきたので行動再開。振り返ると絶景。ここまでよく頑張った。

赤茶色のゴルジュを進む。

急に岩が脆くなるが難所は無い。

空が近い。そろそろ終わりだろう。

日本最高所の滝とやら。左から巻く。

巻いて沢に戻ると最高のフィナーレを迎える。ここは天国か?

牧歌的な源頭を歩く。

完成された沢旅でした。

登山道に到着。踏む予定は無かったが、せっかくなので山頂PHしに行く。

爆速で登って来たトシゾーさんに追い付かれ、一緒に山頂まで登った。せっかくなのでクズミンとツーショット。ノーパンタイツ+上裸ベストのJapanese変態スタイルは倫理的にまずかったか。百名山クラスではやってはいけませんね。

トシゾーさんと固い握手を交わして下山開始。ちょうどワンコさんも詰め上がって来ていた。

雷がゴロゴロ鳴り出した頃に駐車場に帰還。この後車を回収して帰郷。思いがけず出会いの沢旅となり、とても充実した3日間だった。クズミン遠いところからありがとう!お疲れ様でした!

総評

歩きと高巻き主体の古典的な内容で優雅な沢旅を楽しめる。下部と上部はゴーロ歩きが長く、やや単調な箇所もあるが、中間部の迫力ある滝群と美しいナメは一見の価値アリ。泳ぎも多いので夏向きの沢。

おすすめ度:

コースタイム

1日目
巌立公園8:40-曲滝13:20-取水堰堤15:20-C1 16:00

2日目
C1 7:20-龍門の滝10:40-材木滝12:00-シン谷出合14:30-C2 15:30

3日目
C2 5:30-神津滝7:20-登山道9:00-山頂9:40-濁河温泉13:20

装備

ラバーソール靴、30mロープ、ハーケン、カム

 

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