【下田・川内】光来出川東又沢~割岩沢下降

日本が誇る魔境で継続遡下降。その②。

笠堀川 光来出川東又沢~割岩沢下降 遡行記録

2025/09/22-27 5泊6日 曇り/曇り/晴れ/雨/雨のち晴れ/曇り時々晴れ

メンバー:KC、他1名

グレード:上級

3日目。沢靴が壊れたことによる不安からか、あまり熟睡出来なかった。剥がれた部分をテーピングでぐるぐる巻きにして出発する。

沢靴崩壊で朝から萎えモードだが、今日は雲一つない快晴。

すぐに下部ゴルジュが出てくる。

圧巻のゴルジュ帯。沢靴の事など忘れて見惚れていた。

唯一無二の景観。素晴らしすぎるゴルジュを進む。

入渓前のまとまった雨の影響か水量が多く感じる。

水圧も強くて必死に泳ぐ。いきなりヘロヘロだ。

神殿のような造形。

もちろん突入。

奥に見える滝は巻いた。これで下部ゴルジュは終了。

穏やかな沢を進むと巨大な釜を持つ滝が現れる。光来出美しすぎるぜ。

平凡な沢を歩いていると、アカホリ氏がザックにぶら下げていたギア一式とゴープロを無くしたことに気づく。さっきまで元気だった彼もすっかり意気消沈!?2人とも完全に萎えてしまう。

こんなクソ天気が良くて、渓相も素晴らしい沢なのにもう我々のメンタルはそれどころではない。茫然自失でゴルジュを進む。

休憩がてら敗退会議を行う。もうすっかり2人ともやる気が無くなってしまった。このまま光来出を詰め上がって帰る案や沢下降して帰る案など、様々な案があがる。結局進む予定の東又沢だけ覗いて考えようと落ち着いた。

運命の分かれ道である東又沢出合に到着。ここより先に進んでしまえば、容易に帰ることは出来ない。沢靴のことや大量に紛失したギアのこともあるが、何とか持ち堪えて予定通り東又沢へ進む。

進んでしまえばすっかりやる気も回復。美しい渓相のおかげか、思考もポジティブになってきた。

そして東又沢名物の50cmゴルジュと対面。

激狭ゴルジュを進む。一瞬で終わるけど。

3m滝は登れず巻いた。

ずっとゴルジュ地形。

大きな滝は無いが、ずっとこんな感じ。面倒な巻きも無くひたすら楽しい。

co350二俣。ここは左の青里沢に入る。

ようやくゴルジュから解放されてゴーロを歩いていると面倒な滝が出てくる。写真では見えないが屈曲した2段の滝になっている。

灼熱の大高巻き。岩盤がずっと続いていて、中々尾根を乗越せない。辛抱強く巻いてようやく沢床が見えた。

懸垂で戻って遡行再開。もう面倒な滝が出てこないことを祈る。

6m滝は登れそうで登れず、小さく巻く。

次の滝も空身なら何とかなりそうだが、面倒なので巻く。これも大高巻きとなり、上へ上へと巻き上げられる。
先には厳しそうな連瀑が続いていて、まとめて巻いて沢に戻った。

2度の大高巻きで体力も心も時間も削り取られてco550二俣で行動終わり!長期遡行成功の秘訣は毎日長時間行動しすぎない事が大切なのだ。多分。
テン場を拓いてゴロゴロしながらラジオを聞いていると、どうやら明日は雨予報らしい。明日が一番降ったらアカン区間なんですけど…。どうなるオレたち!

4日目。予報通り朝からどんよりとした天気。今にも降ってきそうな感じ。

平凡な沢を詰めて青里岳から伸びる尾根のコルに出た。ここから西俣沢を下降して行く。

本流筋に当たるまでは急だが下りやすい。これは割岩沢まで楽勝?とこの時は思っていた。

本流筋を下るとすぐに10m級の滝に当たる。捨て縄たくさんあるので懸垂。

思った以上に滝がわんさか出てくる。途中からキリが無くなって来て、巻きモードに切り替える。

ほとんど沢には戻らずに西俣沢の下降を終える。かなり苦行系の沢だった。下降はおすすめしない。

ようやく割岩沢の本流に降り立ったと思ったら、雨が本降りに…。足早に下って行く。

ここだけ懸垂。あとは大きな滝も無くて比較的下りやすい。

どしゃ降りで泣きそうになる。

ここから永遠のゴルジュ。

どしゃ降りの中、ゴルジュを泳ぎ下る。

メンタルにとても悪い。

割岩沢のスーパーゴルジュ。ゆっくり楽しむ間も無く逃げるように下る。

美しいゴルジュから歪なゴルジュになってきた。

いよいよジッピとご対面か!?

そしてついに出ました割岩沢名物のジッピ!これは事前情報ナシで来たらションベン漏らしそうな見た目。

突入して流される。30mくらいのゴルジュだが、一瞬で終わった。

ジッピの入り口。写真がぼやけていて悲しい。

中々良いテン場が見つからず、大雨の中ひたすら下降。幸い降ったり止んだりのおかげで、そこまで大きな増水は見られない。

終わらないゴルジュ。

ひょうたん型のゴルジュを泳ぎ下る。

ようやくイイ感じの場所を見つけて行動終了。タープを張り終わってから本降りになってきて、目の前が瞬く間に増水。
夕方には一旦雨が落ち着き、濁流となって目の前に迫っていた水も引いてきた。明日には完全に平水に戻るだろうと眠りにつく。

深夜2時。昼の雨よりも強い雨音で叩き起こされる。しかも止む気配が全くない。夕方程度の雨と油断して二度寝をキメていたら、音も無くすぐ隣が濁流に…。これはヤバイと避難開始。高台でタープを被りながら眠る。

明け方に雨は落ち着き、元の場所に戻ってタープを張り直す。
最悪な事に寝ていた場所が水路になっていて、全身びしょ濡れ。乾いた衣類が1枚も無くて全裸でシュラフに入る。4日目にして錯乱しかけた。

5日目。この日も朝から雨が降り続いて一向に止む気配がない。沢も減水したが依然濁流。大人しく本日は停滞とする。
午後から晴れてきて濡れた衣類を完璧に乾かし、各々適当に時間を潰す。昨日はもう帰りたい状態だったが、晴れて衣類も乾いてしまえばやる気が漲ってくる。不思議なものだ。いくぞ広倉沢!

総評

東又沢はマイナーな支流だが、素晴らしいゴルジュが続き遡行価値が高い。割岩沢もジッピを始めとした見事な造形のゴルジュが続く美渓。遡行しても面白そうだ。増水には細心の注意を払いたい。

おすすめ度:

コースタイム

3日目
C2 6:40-東又沢出合9:50-青里沢出合11:15-C3 13:50

4日目
C3 6:00-コル7:40-西俣沢出合10:30-ジッピ12:20-C4 14:00

5日目
停滞C5

装備

ラバーソール靴、50mロープ

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