【飯豊】飯豊川本流

飯豊の王様。クラシック沢登りの究極系がここにある。

加治川 飯豊川本流 遡行記録

2026/08/08-11 3泊4日 8/8-晴れ→豪雨→晴れ 8/9-晴れ→豪雨→晴れ 8/10-晴れ 8/11-雨

メンバー:KC、平野さん、彷徨いクラブ3名

グレード:沢狂

お盆前半戦は平野さんと男2人で飯豊川本流へ突撃する予定だったが、彷徨いクラブのわんこさん御一行が新潟方面へ来るとの連絡が入り、急遽合流して一緒に遡行することになった。このレベルの沢に即席パーティーで挑むことに正直不安もあったが、予備日も確保しているし、各々の力量も十分。何とかなるだろうと当日を迎えた。

ほぼ無睡眠で車回しをこなし、加治川治水ダムで彷徨いクラブと合流。タツヤとテツロウとは初対面だったため、軽く挨拶を済ませて歩き始める。ダム周辺には駐車禁止の看板がいたるところに立っていたが、下山後も特にお咎めはなし。お盆休みだったことも関係しているのかもしれない。

長いアプローチをこなしてようやく加治川ダム。この道は現在工事中のため、関係者に見つかると即退場になるらしい。今回は早出したので、誰とも会わずに湯の平山荘へ続く山道へと入れた。

美しい森の登山道。湯の平山荘までもう少し。

やっと入渓点である、湯の平山荘に到着。

天然温泉付き!!適温で入渓前に整う。

支度をして飯豊川遡行開始!

豊富な水量と豪快な渓相に圧倒される。

とてつもない水量で威圧してくる。弱点を見出しながら通過。

沢は次第にゴルジュへと変化。最初の難所は右からへつるがかなり渋い。

次もかなり渋いへつりになる。水流内は全く歯が立たず、すぐに押し戻されてしまう。ここ数日の雨が影響しているのか、水量は平時よりも多い気がする。

凄まじい水量がさらに凝縮され、歩くのすら困難な地形になる。この先の5mCS滝が越えられず、左岸から巻く。

ゴルジュを巻き終えると平和な福取沢出合。

束の間の癒し空間。

再びゴルジュ。さっきよりも険しい地形になる。

荒れ狂う魚止滝。水流に抗い右から突破。

そして先には絶望的な滝がかかる。少し偵察を…と思っていたらゲリラ豪雨襲来。ゴルジュから脱出することに。

すぐに沢は濁流へと変化。危機一髪!

雷もゴロゴロ鳴って、地獄のような空間。生きた心地がしない。ここは高巻きロープ1ピッチで何とか脱出できた。

巻き上がったところの台地でC1。湿度100%で超絶不快だったが、何とか焚火も熾せて体を休めることができた。

夜は彷徨いクラブの豪華メシが振舞われる。進退は明日決めるとして早々に眠りについた。

2日目。昨日の濁流が夢であったかのように普通の色に戻っている。これなら行けそうだと遡行継続。

増水で若干白濁した沢を進む。ここは左のバンドから。

ヒルカルの悪場手前の6mCS滝。左の隙間から登る。

ヒルカルの悪場始まる。

荘厳なオーラを放っている。この先に何が待ち受けているのか。

すぐに煮えくり返っている2m滝が現れる。

絶望的かと思いきや左側にラインが繋がっていた。協力プレーで突破。

この威圧感が堪らない!

ここが最後の難所。流れの強い水流の弱点を読み、へつり泳ぎでジワジワと進んで突破。後続にはロープを投げて一本釣り。これでヒルカルの悪場は終了となる。

そしてヒルカルの悪場を抜けた先には、不動滝が堂々たる勇姿で鎮座している。

右岸から大高巻き。

懸垂無しでキレイに沢へと復帰できた。

上部ゴルジュまでは雄大な飯豊の山々を感じながら、のんびりお散歩。

洗濯沢出合。ここで泊まろうかと思ったが、まだ昼前なので先に進む。

次第に側壁は赤茶色に変わっていき、左からは赤渋沢の見事な大滝がかかる。

そしてこの沢の心臓部とも言える、核心の上部ゴルジュが始まる。

時間もあるので早速内部に突入。

ゴルジュ内も水量多くて大変。

行く手を阻む3m滝。タツヤリードで登るも、途中から雨がパラつき始めてきた。昨日の教訓を踏まえて、早めに退散。

ゴルジュ入口に戻ると本降りに。そして30分ほどで濁流になる。周囲には大滝が大量出現しており、地獄のような空間だった。まさか2回連続で鉄砲水に襲われるとは…。

1-2時間ほどで天気が回復したので、ここをC2とする。濡れた衣類を全て乾かした。

今宵も彷徨いメシをいただく。激ウマ!2日連続の鉄砲水で擦り減ったメンタルが回復していく。

3日目。ゴルジュは増水していて厳しそうだったので、高巻きからスタート。通常は右岸から巻かれているが、今回は左岸から仕掛けてみる。

意外とラインが繋がっている。微妙な箇所が出てきたので、ここから3ピッチロープを伸ばして安定した藪へと入る。

30mくらいの懸垂で沢に復帰。

そして降りた先には、不気味に口を開けて待機している雪渓が…。

巻くと時間がかかるので、可能な限り内部を進むことにする。猛ダッシュで出口まで。

雪渓を抜けた先も一筋縄ではいかない。ここはわんこさんのハンマー投げが炸裂。見事一撃でキメる。

振り返るとこんな感じ。もう雪渓は出てこないで欲しい。

当然まだまだあるんですけどね。奥の4m滝は左のバンドが繋がっていて越えられた。

バンドトラバース中の平野さん。

覚悟を決めてイク。

これはちょっと…。ってことで右岸から高巻く。

巻き途中から見るとこんな感じ。

先に見える雪渓も潜りたくないな~。この後、懸垂で沢に戻るとさっきの雪渓が目の前で崩壊。金玉が縮み上がる。我々はいつでも死ねるロシアンルーレットの中にいるのだと再認識。

束の間のブレイクタイム。

でも雪渓はあります。

上部ゴルジュの核心部へと入っていく。

また雪渓。いちいち反応しているとキリが無いのと、雪渓崩壊のトリガーになりそうなので、全員黙って通過する。

ゴルジュ最狭部。異世界の神殿みたいだ。

この雪渓もヤバイ。巻くのも非常に困難な地形。前進するしか選択肢がない。

ここはさらにヤバい!!崩壊した雪渓が幾重にも重なり、ワケの分からない地形になっている。

極めつけはコレ。死の匂いがする。

泣きそうになりながら超絶不安定な雪渓を通過した先には、絶望的な2段7m滝がかかる。KCとわんこさんで攻略を試みるも登れず、結局戻って巻くことになった。

平野さんリードでゴルジュ脱出を試みる。

2ピッチで安定した藪に到達。定期的に雪渓の崩壊音が鳴り響き、生きた心地がしない。

懸垂2ピッチで降りた先には、再び絶望的な滝が。ここは右岸から容易に巻けた。

巻き降りた先でタイムアップとなり、C3。目標の天狗沢には届かなかったが、5人の即席PTということを考えれば十分な結果だ。

恐らく今日が最後の夜。焚火を囲み、ここまでの道のりを語り合った。

最終日なのにデザートまで出てくる彷徨いメシ。メシに一切の妥協なし。それでいて担いで登れる。彼らは日本一の沢ヤ集団だ。ここまでの道のりで色々あったが、彷徨いメシのおかげでメンタルが安定していた気がする。

4日目。白く美しい連瀑からスタート。

記録で見たこと無い滝がわんさか出てくる。やはり今年は雪渓が少ないのか。

4mCS滝は登れず、左岸巻き。

樹林が近くなり、かなりマイルドな渓相になってきた。

天狗沢手前の6m滝は右から登る。

天狗沢出合。これで上部ゴルジュ終了!巻いた区間はあるが、ゴルジュ内部の全貌は解明できた。

さて、あとは消化試合だ!と思っていたら、また雪渓。しかも長い。もう勘弁してください。

雪渓を抜けた先には文平滝が現れる。

最後の最後まで気が抜けない。テツロウリードで突破。

落ち口から見下ろす。

快適な連瀑帯。

本流筋から外れて左の支流に入って文平ノ池を目指す。

ここからは本当の消化試合。飯豊の雄大な山々に囲まれながら、平凡な沢を黙々と詰め上がる。

雨が降りしきる中、文平ノ池に到着。極寒、虚無、疲労。ここまで来ても待っているのは苦行だけ。遡行開始から現在に至るまで、快適な時間は一時もない(笑)。

台風接近で荒れ狂う天気の中、ようやく登山道に出た!!

御西小屋で少し停滞し、全ての防寒着を着込んでから出発。飯豊山頂も爆風だった。あとは不快なダイグラ尾根経由で下山。

総評

悪い登攀、高巻き、泳ぎ、そして超絶不安定な雪渓処理まで、沢登りに求められる総合力が試される。沢登りの「全て」が凝縮されたような内容。飯豊川本流に行かないと沢ヤを名乗れない、というのもあながち間違いではない。飯豊の厳しさと奥深さを存分に味わえる名渓。

おすすめ度:

コースタイム

1日目
加治川治水ダム5:20-加治川ダム7:30-湯の平温泉9:30-C1 15:40

2日目
C1 6:10-ヒルカルの悪場8:10-不動滝9:10-洗濯沢出合11:25-上部ゴルジュ(引き返す)12:05-C2 13:10

3日目
C2 6:50-上部ゴルジュ-C3 18:20

4日目
C3 5:30-天狗沢出合6:35-文平滝7:00-登山道11:10-御西小屋(停滞)11:35-飯豊本山13:30-飯豊山荘18:15

装備

ラバーソール靴、50mロープ、50mフローティングロープ、ハーケン、カム、アブミ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!