現世と地獄の境目。この世とは思えない景観が広がる。
常浪川 大蕎麦谷沢左俣(青磐沢) 遡行記録
2026/09/22-23 1泊2日 9/22-雨→晴れ 9/23-晴れ
メンバー:KC、ポムチム、クズミン、わんこ、WAKA
グレード:達人
毎年、天気に心を揺さぶられるシルバーウィーク。今年もわんこさんが参戦となったが、案の定、台風が接近。計画していたガッコ沢は没となり、早くも路頭に迷う。後半2日が比較的天気が良さそうなので、以前から気になっていた大蕎麦谷沢左俣へ向かうことに。初会越だというわんこさん。彼を招いての楽しい遡行になるはずだった――この時は、まだ。

雨で大増水している常浪川を横目に歩き始める。

入渓すると当然、沢は増水中。そして便所みたいな色になっている。

序盤は断続的に泳ぎとなる。便所の中を泳いでいるみたいで、あまり気分はよろしくない。

ここは右から巻く。

しばらく長い河原を挟む。たまに会越らしい渓相が現れるが、この区間は少々キツイ。

ゴルジュっぽくなってきた。

久しぶりの滝。右から容易に越える。

振り返ると中々良い渓相。

中間部の巨岩帯。仕組まれた迷路のように上手いこと出口へと繋がっている。

ゴルジュ(゚∀゚)キタコレ!!

内部に突入。

圧巻の造形。これぞ会越クオリティ。

みんな笑顔。この時はまだ…。

5m滝は大増水で取り付けず。左から小さく巻く。

二俣手前までは長いゴルジュゾーンが続く。

素晴らしいゴルジュでした。

そしてゴルジュを抜けた瞬間、眼前に激ヤバな光景が広がる。ここまで景観が一変する沢は、そうそうない。

ここは地獄ですか…?

地獄への入口も増水しているので、巻く。

巻き途中から見た左俣方面。あの切れ込みに入るのか…。

二俣内部にワープ。写真は右俣の滝。絶望。

左俣へ入るには、一度懸垂で右俣に降りてからでないと入れない。

いやーこれはアカンやつですね…。

二俣手前にかかる滝は全く登れそうになかった。

さて、覚悟を決めて左俣にIN。

突っ張りを駆使して突破していく。

これはどう登る?

正解は水流くぐり!

最後は問題の8mCS滝。過去の僅かな記録では左のスラブから巻き登っているが…。
ここはわんこさんのハンマー投げが炸裂して、見事にCSにキマル。

さて、問題は誰がユマーリングするか。これが一番怖いんです。KCを含め全員が華麗に拒絶反応を示す中、涼しい顔でわんこさんがやってくれました。覚悟の決まった漢は違いますわ。ありがとうございます。

滝上で良いテン場を見つけたので、ここでC1。整地して5人が眠れる場所を確保。

気が付けば季節は秋に。焚火を熾さないと寒くて死にそう。大量に薪を集めて着火。

至福のひと時を過ごす。

夜はわんこさんによる彷徨いメシが振舞われる。激ウマ!!

モッツァレラチーズとミョウガ、そして梅ソースの組み合わせおつまみ。こんなの下界でも食べたことありません。

そして最後に出てきたイチジクと生ハムの豪華デザート。ヤバすぎだろ!!こんなことやっていたら、全世界の女性沢ヤが大量に彷徨いクラブに集まりそうだが、彷徨いクラブは女人禁制です。残念。

メンバーの持参したおつまみも加わり、腹がはち切れるくらい食べました。ごちそうさまでした。

夜はタープの下で焚火に当たりながら眠りにつく。

2日目。本日が核心となる。早めに支度をして出発。最初の滝は左のスラブから登るが悪い。

これも左から。フリクション抜群で気持ちいい。

巨岩系の渓相。この先は河原になっており、テン場適地多数アリ(増水には耐えられない)。

河原ゾーンを抜けると、前方に険しい景色が広がる。いよいよ核心の始まりだ。

地獄への入口となる10m滝。右の草付きから巻くが、普通に悪い。いきなり緊張する。

6m滝は右から容易に登れる。

5m滝は見た目悪そう。クズミンリードで取り付くもトラバースが怖いみたいで帰ってきた(笑)。

覚醒したWAKAがリードを交代して登る。危なげなく完登。昨年までお客様状態だったWAKA、一体いつ、どこで覚醒したのか。もしや某S逍遥のおかげなのか。

さらに先へ進むと、今度は完全に手の付けようがない3段25m滝が立ちはだかる。

左岸の急で悪い草付きをロープ使用で登り、落ち口へ斜め懸垂。地獄はまだ始まったばかりだというのに、一つひとつの滝があまりにも辛すぎる。

10m滝は右から小さく巻く。

そして地獄の中枢へ……。奥には、絶望感を纏った2段50m大滝が不気味な姿を覗かせている。

下段を登って上段を見上げる。

下段登攀中のクズミン。上段は高度感MAXの激ヤバトラバースで落ち口に抜けた。

この辺からポムチムから笑顔が消える。

地獄はまだ終わらない。30mナメ滝は快適に直上。

そしてドン詰まりに出てくる15m滝。この先は奥の二俣になっている。左岸からロープを出してポムチムリード。嫌らしく悪いセクションも安定の登りで越えていった。

2Pロープを伸ばして奥の右俣へ降り、そこからさらに藪を横断して奥の左俣へ復帰。もうクタクタのヘロヘロです。

沢の規模が小さくなり、あとは消化試合!と思っていたら、この先の8m滝が極悪。もう許してください。

執拗に続く悪い滝に、だんだん口が悪くなってくる。しつこすぎる!!

もう帰りたいよ~。っていうか、これから夜勤だよ~。俺は一体、何をしているんだ……。

後半は反応する気力すら失せ、黙々と滝をこなす。

あと少し…。

最後は穏やかな渓相となり、軽い藪漕ぎで登山道へ出た。夕暮れが迫っているので、御神楽岳には寄らず、そのまま下山。わんこさんを招いての楽しい遡行になるはずだったが、蓋を開けてみればエライ目にあった。果たして今後、この沢に入るモノ好きな沢ヤは現れるのだろうか。
総評
出合から執拗に悪い滝が続き、登攀・高巻きともに悪い。非常に強度が高く、完全に篤志家向けの内容。右俣に比べて記録が少ないのも頷ける。全くおすすめできないが、入るならそれなりの覚悟を持って臨もう。
おすすめ度:
コースタイム
1日目
駐車スペース8:00-二俣12:40-左俣出合13:40-C1 15:10
2日目
C1 6:20-奥の二俣13:00-登山道16:00-室谷登山口18:00
装備
ラバーソール靴、40mロープ×2、ハーケン、カム

